sikatari04’s diary

施工図面屋さんの子育てブログ

施行ミス?住まいの変化と不具合【半年点検と瑕疵責任】

大工

家を買ってしばらく生活していると「あれっ?」と思うような箇所に気付く事がありませんか?

 

今回は、居住後に気付いた住まいの変化や、

すぐには気が付かない不具合の事例と、半年点検で行う事を解説します。

 

買った時には気付かなかったけど、これって施行ミス?

 

早合点なのか本当にミスなのか、良く起こる事例をご紹介します。

 

本件は木造戸建て想定での解説となります。

 

 

 

居住後の住宅の変化と不具合

リビング

居住後の住宅の変化はその多くが木材が定着に至るまでの膨張と収縮が原因で起こります。

 

新築の住居は、木材がまだ落ち着いていない状態です。夏には吸湿して膨張し、冬場は乾燥して収縮します。建物自体の荷重による変化などもあります。

 

この膨張と収縮+荷重によって不具合が出てくる事があります。

 

代表的な事案をご紹介します。

 

 

・建具の立て付け

これは、引き渡し時には何も無かったのに、しばらく住んでみたらクレセント(鍵)の部分の閉まりが悪い、つっかかる等で気付く事が多いです。

 

これは木材の膨張と収縮+荷重により、建具が押されて、建て付けが悪くなっていることが原因として挙げられます。

 

対処方法は簡単!ドライバー1本で直せます。

 

窓などの建具には側面の下部にドライバーを差し込んで回し、建て付けを調整する機能が付いています。

 

自分でやるのが不安な方は、点検まで待って、業者の方に直してもらいましょう。

 

鍵の閉まりはそんなに悪くないけど気になるという方は、窓を閉めた状態で、側面上部を押してみて下さい。

 

ガタッ!と結構持ち上がるようでしたら、それは建て付けが悪くなっています。

 

基本的には点検事項の基本中の基本なので、点検が予定されている方は直してもらえると思って良いでしょう。

 

 

・壁紙の隙間

 こちらも同様に、木材の膨張と収縮+荷重が原因となることが多い事案です。

 

ふと見上げた時に、壁と天井との境目に隙間が出来ている事で気付くことが多いでしょう。

 

見た目が悪くなってしまうので、気になりだすとどうしても目に付いてしまいますよね。

 

対処方法としては、その隙間にパテを埋めて隠すという施工が一般的です。

 

個人でもやれない事はありませんが、出来不出来が心配な場合は業者に施工してもらった方が良いでしょう。

 

注意点として、半年点検時では指摘したとしても、補修は待つことをオススメします。

 

木材の収縮が落ち着くのは一般的に2年程度かかるとされています。

 

半年点検時に施工してしまうと、その後の収縮でパテがぽろぽろと床に落ちてしまう事があります。

 

 

・北側窓の結露

これはガラスと窓枠がアルミ製の場合に起こりえる事例です。

 

外気と内気の温度差が大きいと、冷えやすいガラス・金属部分が外気によって冷やされる事が原因です。

 

内覧会の時などは、居住していない=室内部の温度・湿気変化の発生要因が無い為、どの程度出てくるかの想定が出来ません。

 

窓枠が樹脂製の場合が問題ありません。

 

ガラスに関しては、現在はペアガラス(ガラス+空気層+ガラス)が一般的になってきましたが、それでも製品によって結露の出方には大きく差が有ります。

 

対処方法としては、換気設備が正しく使われているか確認する。

 

換気口が閉まったままになっていないか?窓に換気機能が付設されている物では、その換気機能の開閉の確認を行いましょう

 

湿度が高すぎないか。(一般的には40~60%の湿度保持が理想ですが、加湿器等で大幅に湿度が上がっている場合もあります)

 

それでも結露する場合は結露防止スプレーなどで対策してみるのも良いでしょう。

 

 

▼POINT▼

・クレセント(鍵)の閉まり具合の確認とガタツキが無いか手で押して確認しよう。

 

・天井と壁の境目に壁紙の隙間が無いか確認しましょう。早い段階(2年以内)での補修は、悪い結果になることもあるので慎重に判断しよう。

 

・換気設備の正しい使用と室内の湿度を上げすぎていないか確認しよう。

 

 

半年点検にて行う事

チェック

 半年点検を行うの際し、事前に生活してみて気付いた不具合を確認しておきましょう。

 

当日は不具合点を伝え、すぐに手直し出来るものはしてもらえる事が多いです。

先に挙げた建具の建て付けなどはそれに当たります。

 

点検事項として一般的なのは、

 

住居者からの指摘事項

建具の建て付け

壁紙の施工不具合(生活前後で区別のつかない傷等は除く)

床下配管の漏水の確認

外部基礎のクラック(ひび割れ)

外壁の施工状況

 

が挙げられます。

 

最後の外部廻りは行わない業者もいますので、一概に全てを行わないとおかしいという訳ではありません。

 

あくまでも点検が主目的である為、その場で色々を直してもらう事を考えるべきではありません。

 

加えて不具合の申告をこちらからするのが基本的な流れです。

 

施工店の方はマニュアル通りの基本中の基本の部分しか自主的には見てもらえません。

 

少しでも気になる箇所がある場合は居住者から進んで伝えてみてください。

 

 

瑕疵責任と保証

保証書


 

住宅を購入すると、大抵「無償でのアフター点検」が付いてきます。

 

今回挙げた半年点検もそれに該当します。

 

時期はそれぞれ施工店によって異なりますが、2年間の間に3回程度が一般的です。

 

木材の膨張と収縮+荷重によって住宅が落ち着く(安定)するまでの2年と期間が一致していますよね?

 

施工店としても、その2年間に色々と不具合が起こるのが分かっている為、そのような期間設定になっています。

 

では実際に不具合が出た場合の瑕疵責任の有無について考えていきましょう。

 

今回行った「半年点検」は規定されている無償の範疇です。

 

それによって判明した不具合の補修に関しても「施工不良や建材自体の機能的不具合」とみなされれば無償での補修対象となります。

 

皆さんがお持ちの保証書を確認して頂くと、保証期間として2年が設定されている材料が多いのではないでしょうか?(建物の構造に関わる部分は基本的に10年です)

 

でも建材自体の機能的不具合と言われても、該当するかの判断がつかないと思います。

 

その判断は基本的に下記の様な認識でOKです。

不適切な使用」や「故意または使用者の過失による破損」などに当てはまる場合を除いては、施工店の方で無償対応してもらえると思っておいて良いと思います。

 

中には「引き渡した時点て瑕疵責任は一切無い」・「経年変化の範疇の為、無償対応の範囲外」・「点検は無償だが、補修は有償」など無償対応の範疇であってもお金を取ろうとしてくる会社は実在します。

ここでトラブルを招かない為にも下記事項を確認しておきましょう。

 

保証内容の確認(どこまでを無償対応として規定しているか)

保証期間の確認(1年保証の材料・機材もあるので2年点検でまとめてという認識は危険)

 

この無償でのアフター点検を長期保証の為の通過儀礼程度と思う事無く、

しっかりと活用していって欲しいと思います。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

それでは、sikatariでした。

 

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