sikatari04’s diary

施工図面屋さんの子育てブログ

内覧会(竣工検査・完成検査)って何するの?(建売住宅)

こんにちは。

今日は建売住宅の内覧会について、私の実際の経験を基に話していこうかなと思います。

建築のことは分からないけど、それでも自分の家だから出来る限りの事はしたい!という方の一助となれれば・・・今回は私的に長編です。文字だらけで申し訳ない。

それではいってみましょう。

 

建物施工者

 

内覧会って何?

 内覧会・竣工検査・完成検査・・・

色々呼び名はありますが、一般的に引き渡しの2週間以上前に建物の出来(図面通りか)・不具合の有無・設備の説明などの為、売り主と買い主が一緒に建物の確認を行うことを指します。

私の場合、「私」「妻、子供(遊んでました)」「売主(施工店)」「仲介不動産屋」「オプション工事業者」総勢8名にて内覧会を行いました。

 ※子供は預けることが可能な人は連れて行かないことを推奨します。子供を見ている分、1人分のチェックが無くなるに等しいです。

日時の設定

 実はこの日時設定はなかなか難しいです。

早すぎると未完の工事が多くなりますし、遅すぎると引き渡し前に指摘箇所の補修が終わらないなんて事もあります。

私の場合は丁度2週間前に設定しました。時間は午前~日中が推奨です。間違っても夕方など目視での確認に影響がある時間帯は避けましょう。

所要時間は見る人によります。私は2時間半程度かかりました。

10時スタートで12時半位に終了といった感じです。

天気は運次第なのですが、晴れがベスト!外回りの確認、設備の開閉確認など雨が降っている中行うのは嫌ですよね。

何を持っていく?

私がもって行った持ち物としては、

・図面

・メジャー(長めのもの)

・カメラ(スマホでOK)

・マスキングテープ

・水平器

・脚立

・ライト

となります。基本的なものは施工店さんに用意しておいて下さい。でOKだと思い見ます。・・・でも我が家の担当者・・・色々忘れてくる人でした。(念の為、自分で持って行って正解でした、いざ当日に無い!というのは避けたいですよね。)

施工店がもってきたもの

・図面

・メジャー

・カメラ

・チェックシート

・設備の説明書とか書類色々

因みに水平器はマストではないかなと思います。私も場所場所で数回当ててみた程度にしか使いませんでした。

実際の流れ(序盤)

集合して最初は設備関連の説明からスタートしました。

電気・水道・ガスなどですね。個別で見ていきましょう。

「電気」

・各部屋のスイッチ・コンセントはもちろんトイレのウォシュレット・食洗器等電気を使用する設備は全て試しましょう。照明は備え付けのダウンライトしか確認は出来ないと思います。実際に自分が照明を取り付けた際に不具合が出た場合は無償対応してねと記録に残しておきましょう。

※ちなみに我が家・・・電柱新設で配線工事が間に合わず当日電気関連は全く確認出来ませんでした。チェックシートに後日確認とし、電気関連不具合は全て無償対応と記載してもらいました。

「水道」

キッチン、洗面所、浴室、トイレきちんと水が出て、流れる事を確認しましょう。ちょろっと出して終了では無く、ある程度出し続けるのが大切です。※床下等を確認する前に必ず行ってください。

「ガス」

コンロ、給湯器をしっかり稼働させて確認しましょう。コンロの火を付けながら換気扇を回して、そちらも問題ないか確認しておきましょう。給湯器の方はキッチン、洗面所、浴室でお湯がきちんと出るかを確認します。

 

この3つは施工店の方や、設備屋さんが操作方法を教えがてら一緒に確認してくれることが多いと思います。

ここまで確認したら、床下へGOです!!

床下点検口で多いのは、洗面所やキッチンの床下収納を兼ねた点検口です。どちらも水回りの為、先ほど流しておいた水の水漏れの有無を確認しましょう。異常な湿気を感じないか、床下はきれいに清掃されているかも確認しましょう。

点検口に頭を突っ込んで見える範囲は限られています。例えば、ゴミが落ちていた場合、床下全面を再清掃してください。後日自分で潜って全部見るよ。と伝えてみましょう。絶対ではないですが、そのゴミを拾って終わりとする確率が減ります。

その他やる気満々!よごれても気にしない!という方は下記事項も確認しては如何でしょうか?

・基礎のクラック(ひび割れ)の確認

・床下から見上げた際の断熱材の施工状況

・排水管(グレーの塩ビ管)の勾配と金具支持状況

などなど・・・

実際に私が床下点検で行った事は、

・漏水の有無

・ゴミの確認→養生テープの使いかけが落ちていたので、再清掃のお願いをしました。

・断熱材の施工状況確認

潜って這いずり回る事はしませんでした。(思っていたよりかなりきれいだった印象が残っています)

 

下を見たなら、次は上!

屋根裏点検口を見ていきましょう。クローゼット内の天井にある事が多いと思いますが確認しましょう。(無い家もあるみたいですが)

屋根裏でまず目につくのは断熱材の施工状況だと思います。断熱材同士が隙間が空いていないかを確認しましょう。

その他にはゴミの有無・雨漏れの跡の確認・ビスや金物が雑に施工されていないかなどを確認しましょう。

私の場合は屋根裏では特に指摘事項はありませんでした。

 

床下(基礎)や屋根裏(屋根・柱)に起因する欠陥はチェックする上で最も重要なポイントです。

例えば壁紙に傷があります!なんて補修・張り替えれば終わりですが、基礎が割れている、柱が足りないなどは補修工事でどうにかなる問題ではありません。

少しでも疑問点が浮かんだ場合は都度聞いてみましょう。

納得できる回答がくればそれで良しですが、これくらいは問題ありません・これで通常です。と言われてしまったら、専門家でなく回答を持ち合わせていない人にとっては無理やり納得せざるを得ない事になります。

キチンと写真を撮って、チェックシートにも記載をしておきましょう。補修内容に反映されなくても、後日何かあった際に証拠として効果を発揮してくれるかもしれません。

 

実際の流れ(中盤)

次に見ていくのは屋内(内装)関係です。

1室1室見て回りましょう。例えば最初に窓関係を全室見て回ってーよりは、その部屋を完結させて次の部屋へがオススメというか効率的です。

では実際に何を見ていくかというと、

 

・窓・ドア・据え付け建具の開閉確認・傷の有無

実際に開け閉めしてガタツキが無いか、閉まりが緩くないか(反対にきつくないか)や建具の枠に傷がないかなどを確認しましょう。

良く見かけるのはリビングの掃き出し窓の下枠の傷です。部材の搬入や人の出入りで使われることもあり傷がつく可能性が大きい場所です。

 

・壁紙の傷・切り欠き端部の施工具合、巾木の施工状況

壁紙の傷は・・・これは見る人がどれだけ丁寧に見るかに尽きます。傷を見つけたらチェックシートへの記載とマスキングテープで印をしておきましょう。その他には壁紙の切り欠き部分の端部が浮いていないか等を確認しましょう。

巾木は壁紙と床とをつなぐ部分にある細長い木製の部材です。傷の有無や角の部分がきれいに納まっているかを確認しましょう。

 

・床の傷・きしみ・水平チェック

床を歩いて音が鳴るか確認する。でも良いですが、せっかくなら足で強く踏み込んでみて音が鳴らないかまで確認するのをお勧めします。

水平に関しては水平器を使うか、その場にいて違和感がないかを確認しましょう。

傷に関しては出来ればフロアコーティング等をする前の状況で見ておきたいです。傷をパテ等で補修してもらってからコーティングの順がBESTだと思います。

因みに床面で傷が多いのは壁際廻りです。巾木を取り付ける為に工事中その部分の養生シートが無く床材が見えている状況での施工が多い為です。

 

実際の私がした指摘事項

・壁紙の傷、よごれ数十か所

・建具の枠の傷 数か所

・床の傷 数か所

・巾木の角の再施工 2.3箇所

 

 

実際の流れ(終盤)

最後に見てくのは外回り関係です。

屋根・・・は見れないので諦めましょう。

外壁・建具廻り・腰壁など外部からの浸水を防ぐ大切な箇所が多いです。内部の壁紙の傷をずーっと探し続けた後でつらいですが、そちらよりよっぽど重要なので頑張りましょう。

まずは、

 

・外壁の通りとシーリングの確認

戸建て住宅で使用されている外壁材は、多くが窯業系サイディングと呼ばれるセメントと木質系成分を混ぜて作られている人工外壁材です。外壁材同士がかみ合う形になっていて、基本下から順繰り貼っていきます。

ここでは通りを見てください。外壁面と直角の位置から曲がったり、出っ張りが無いかなどを見る事です。出っ張り等があるということは外壁材同士がキチンとかみ合っていないことを示しています。

つぎは外壁材同士の竪目地の確認です。縦のラインで触るとぶにぶにするシーリング材が充填されている箇所があります。この竪目地のシーリングが途中で切れていないか、量が少なくてへこんでいる部分は無いかなどを見ていきましょう。

 

・建具廻りのシーリングの確認

これは窓などの四方がシーリングで止水されているのですが、シーリングが切れていないか・量が少ない所はないか確認しましょう。特に窓の左右上部のシーリングに関してはしっかり確認しましょう(雨水の侵入しやすいポイントな為)

 

・腰壁のクラックの確認と見た目

腰壁は外壁より下、地面より上のコンクリートのような部分です。正確には基礎コンクリートの上から化粧としてモルタルが塗られています。大きいクラックがあった場合は基礎のコンクリートにもクラックがある場合があるのでしっかり確認しましょう。

もう一つは見た目的な意味合いですが、下手なひとがモルタルを塗ると色むらが出てしまい格好悪くなります。我慢できない位に汚い部分がある場合は塗りなおしを打診しましょう。

 

外周部は多少の不満点では直してもらえません。例えば、一番下の外壁材を取り換えて欲しい場合、その上の外壁材全てを取り外さなければいけません。補修という範囲を超えてしまうので、中々対応してもらえる箇所ではありません。

もしも不安点が残る+修繕してもらえない場合は下記対応をお勧めします。

「その部分が問題無いという施工店の記録を残してもらう」

「その部分で瑕疵が起こった場合の責任は施工店が負うことを明記してもらう」

「自分達の方でも写真なり・書類なり証拠を残しておく」

この辺りが落とし所になるのかなと思います。

※悪までも個人的見解です。でも半生をそこで暮らすと考えたら、言い過ぎ位が丁度いいと思ってしまいます。

 

実際の私がした指摘事項

外壁の汚れ落とし

外壁の欠け部分の補修

補修缶塗料の要求

腰壁の一部モルタル塗り直し

 

という事で、お疲れ様でした。内覧会終了です。

夏の暑い時期に行う方などはエアコンも無いので、熱中症対策!冬は防寒対策!をしっかりして臨みましょう。

実際の流れ(その後)

内覧会も無事終わり、引き渡しも滞りなく完了・・・

って補修箇所で直ってない所がある!結構あります。実際に補修工事をするのも人間です。特に壁紙の傷などは箇所数も多く補修漏れは起きやすいです。

実際に我が家も数か所直っていない所がありました。再度指摘して手直しを依頼しましょう。その家で生活が始まっている場合は入居後に付いた傷かどうかが判断出来るようにしておきましょう。自分自身で把握できていないと気分的にエンドレスな感じになってしまいますよ。

ま、この位でいいか。と自分が納得できる落し所を探しましょう。

引き渡し後にオプション工事などを別業者に発注する方も多いと思います。この傷はうちが付けた物じゃ無い!などゴタゴタが起きないように、引き渡しまでに補修工事は完了して、再チェックも終わっている状態を目指すのがBESTだと思います。

 

最後に

上記であげてきた物以外にも見るべき箇所は沢山あります。ですが、その家で安心して暮らしていく為の建物の根幹部分に注力して見ていくべきだと思っています。

・構造(ゆがみ・傾き)

・基礎(クラック等)

・屋根、外壁(雨水の侵入)

・断熱(断熱材の正規施工)

この辺りが本当に大切な部分です。大切だけど分かりにくい+一朝一夕で直せないという歯痒い部分でもあります。

 

もしも何かあった際の責任の所在の確認位しか出来ない事も多いですが、これが有ると無いとでは大違いです。納得出来るまで施工店と交渉して欲しいと思います。

 

皆さんが無事引き渡しを終え、楽しい新居生活を送れる事をお祈りいたします。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。